過去のせいでも、あなたのせいでもない

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長いあいだ、私は「なぜ、私はこうなんだろう」と、

過去を掘り続けていました。

原因が分かれば、変われると思っていたから。

でも、いくら癒しても、変わらなかった。

心理学では大きく二つの考え方があります。

ひとつは、「過去が、今のあなたを作っている」という考え方。

フロイトの流れで、原因論と言います。

つらい過去、傷ついた経験

それが原因で、今うまくいかない。だから、原因を見つけて、解きほぐそうとする。

もうひとつは、「人は、目的のために、今の状態を選んでいる」という考え方。

アドラーの流れで、目的論と言います。過去がどうであれ、今をどう生きるかは自分次第。

変われないのは、変わらないことを選んでいるから 、そういう考え方です。

でも私は、ちょっとだけ引っかかっていました。

なぜ引っかかったのか。神経の仕組みで考えると、すっきりしました。

「原因論」

まず、原因論のほう。「過去のせいで動けない」,これ、

甘えでも気のせいでもありません。

ちゃんと、神経に回路として残っているんです。

脳の奥に、海馬と扁桃体という、ペアで働く場所があります。

海馬は「いつ、どこで、何があったか」を記録する倉庫。

扁桃体は、その記憶に「危険」「安全」の札を貼る係です。

今、目の前で何かが起きると、

脳は0.1秒で「これ、昔のあの危険と似てる」と倉庫を照合します。

似ていると、扁桃体が「危険!」の札を出して、考えるより先に、体がこわばる。

つまり、「過去が原因で動けない」のは、

過去の危険データが、今も自動で再生されているんです。

だから、頭で「もう終わったこと」と分かっていても、体が勝手に反応してしまう。

「目的論」

脳には、もうひとつ、面白い性質があります。

脳は「予測する機械」なんです。

脳はいつも、「次に何が起きるか」を先回りして予測して、

安全を保つために、先に体の状態をしらすのです。

フリーズ して動けない、固まる 、「身を守る」という目的を、ちゃんと果たしている。

動かないこと、目立たないことで、傷つかないようにしている。

脳にとっては、立派な仕事なんです。

だから、今の状態は、たしかに「目的」のために作られている。

ここで、私自身の話を、少しだけ

実は私、長いあいだ、原因論のほうをやってきました。

潜在意識の書き換え、ブロック外し。

過去を掘り返して、原因を見つけて、変えようとするやり方です。

でも、私のような神経フリーズだと、その肝心の過去が、思い出せないんです。

思い出せないというより、なかったことにしている。

それでも、なんとか取り組んでいました。

だから、目的論を知ったときは、正直、すごくショックでした。

白状すると、私には、原因論のほうが楽だったんです。

「過去にこういう経験をしたから、今がこうなんだ」そう思うほうが、ずっと楽でした。

それが、「目的を達成するために、今あなたはこの姿でいる」と言われる。

どういうこと? と思いました。

じゃあ私は、何のために、現状を「嫌だ、嫌だ」と思っているんだろう。

この“嫌だ”すら、目的のため? 

そうやって自分を問いつめるほど、私は、よけいに自分を傷つけていました。

でも、いちばん言いたいこと

でも、ここで、いちばん言いたいことがあります。

私だけかもしれないですが

目的論を、そのまま使うと、しんどいんです。

「あなたが、その状態を選んでいる」そう捉えてしまう。

それは、世間の「言い訳するな」「変わらないのはあなたのせい」と、なるのです。

今言えるのは。

目的を決めているのは、あなたの意識じゃありません。

あなたの神経です。

「守る」を選んだのは、あなたの意志じゃなくて、生き延びるために、神経が下した判断なんです。

だから、

「あなたが、その状態を選んだ」のではなく、「あなたの神経が、あなたを守るために、そう決めた」。

神経から見るとそうなのです。

私がやっていること

私のやっていることは、シンプルに言うと。

意識より先に神経の滞りをゆるめる。

そうすると、不思議なことに、自分から未来を向き直りはじめます。

「変われ」と思わなくても。

ゆるんだ神経が、勝手に未来を向く。

過去のせいでも、あなたのせいでもない。

あなたの神経が、ずっとあなたを守ってきた。

その守りを、もう手放しても大丈夫だと、神経が分かったとき 、勝手に動き出します。

私自身が、過去を掘っても、「変わろうとしても、動けなかった一人です。

動けるようになったのは、神経がゆるんでからでした。

順番が、あったんです。

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